13月のカブトムシ

歌詞

１．13月のカブトムシ。 そんなカブトムシは 一匹しかいないだろう。 今年の夏に、 山で見つけたオスのカブトムシ。 君は元気で、 モリモリとエサを食べて、 長く、長く、みんなを喜ばせたよ。 ９月が終わっても 君は終わらなかった。 10月が終わっても、 みんなの心配をよそに、 君は、カゴの中のおがくずから、 ヒョイっと頭をもたげた。 11月は木枯らしが吹き始めて、 地上のカブトムシは、 もう見当たらない。 けれど、温かな人々の心に、 包まれてリビングで ぬくぬくと育った。 君は、この月も生き越した。 ２．メスのカブトムシは、 11月の末に亡くなった。 だから、みんなも とても僕のことを、 心配してくれたんだろう。 師走に入っても、 僕は活発に木の枝を動き回った。 引っ繰り返っても、 自力で立ち上がった。 何としても、年内を生き越して、 世界で一匹だけの、 13月のカブトムシになろうと、 鍛錬に鍛錬を積んで、 頑張って生きたよ。 その僕も、12月の13日、 ああ、何ということだろう。 エル・カンターレ祭の前の日に、 帰天してしまった。 ご主人様、ごめんね。 生き越すことができなくて。 お祝いをしてあげられなかったの、 残念です。 でもあなたは、きっと年を越えて、 13月のカブトムシに なってください。 人類未踏の地に、 たどり着いてください。 ありがとうございました。 ありがとうございました。