ねえ、あなたが笑ってくれるから 僕は生きていたんだよ。 こびり付いた肌の感触を 今でも体が覚えている。 嫌いだったあなたが死ぬ音楽も 全部この日の為だった 結んだ小指の約束も 結局は守れなかった。 生きてしまったよ いつも外に出るときは一緒に 僕と繋いだ左手がいつか あなたの右手を結んでいる。 朝も春も夏の日々も 次の旅行の予定も あなたが淋しくならない為の 魔法だったじゃないか。 あなたが嘘にならないように これから淋しくならないように 帰れない片道分の切符で あなたに会いに行くよ。 ねえ、これからどこに行こう。 きれいな海でも見に行こうか。 そんなに焦らなくても 時間はもう戻らないから。 ああ、綺麗なんだよ。 悔しくて仕方がないよ。 全部が思い出になって嘘に変わって そんなことどうでも良かった。 ねえ、ただ生きてて欲しかった。 あなたが嫌いだったはずの この腐った感情が きっとあなたに縋ってしまうのが 情けなくて仕方ないんだ。 あなたの為に生きていたことも、 嘘を吐いても居たかったことも、 全部を知ってしまったら きっと怒ってしまうだろうな ねえ、それでもいいからさ。 きれいな海でも見に行こうよ。 そんなに焦らなくても 何処にももう、行かないから。 まだ、帰らないでよ。 言葉をまだ返さないで。 今でもこんなに言葉が詰まるのは 呼吸の仕方がわからないのは あなたが全てをくれたからだ ねえ、馬鹿みたいだ 今更言ったって遅いのにさ。 救いたい僕が本当は ずっと救われてたなんて。 あなたの言葉が心になって あなたの声が記憶になって 息遣いも真似したんだよ。 それじゃ今日からはどうしよう。 嘘をついて生きていこう あなたがいつでも見つけれるように だから笑って笑って笑って ああ、奇麗だったよ。 あなたがいた、それだけで。 思い出の中で生きている。 僕は幸せ者だよ。 ああ、綺麗なんだよ。 悔しくて仕方がないよ。 何もまだ 言い出せてない事ばかりが、 頭の中に浮かんでしまうのは 言葉足らずで最低な その全部が僕のせいだよ。だけど、 季節がやがて巡り巡って 思い出になって嘘に変わって こんな卑屈な僕の歌詞にも 意味ができると知ったんだ。 あなたが生きた足跡を全部 食べ尽くしてここに置いておくよ。 まだ、生きててほしかった。