空の匂いが何より透明で 私だけの世界が夜を閉じた 冷え切った夜風が溜まった高架下 両手から溢(こぼ)れては消えていく 進みゆく技術でも遠い君のこと 考えて 朝が来て 隠れずに今日の中 感情も羨望も人工の夢の中 求めるだけで強く在れない 生まれ落ちたその日の空 指で描(えが)いた夢は足りない ここで生きる意味を知れど 柔らかな弧を描いて触った春の陽よ 短くも影のある宵の夏 空高く後悔で埋まった秋の空 君をまだ覚えてる 冷えた手がここに或る 繰り返す廻り往く人工の渦の中 言葉にすればあまりに脆(もろ)い 通り過ぎるその日の空 瑞花(ずいか)の側で 未(いま)だ咲かない ここで生きる意味を知れど 残りの日々を教えて欲しくて どうやって見つめればいいのか 何も残せない それだけが確かだとしても 感情も羨望も人工の夢の中 君が笑った理由で在りたい 生まれ変わる時が来ても 指で描いた夢は足りない ここで生きる意味を知れど