吹き荒れる大風に肩を押されて ついた手の先に見えた海を 覚えているか 塗り替えられる波に足を取られて 伸ばした手 そいつが君の本音を握っている ペラペラの見栄を風が散らした 棲みついた臆病は雲に手を引かれて 緩く繋いでいた手は波が解いてった さあ、錨を上げて 快晴は見えずとも 帆を張れよ 君が縋りついた手なら 確かに握りかえすから 今も響く雷鳴に足がすくんで 遠くに見える 青い空に戻りたくなるけど 生ぬるく頬を撫でるあの風も 陰る隙がないような快晴も もう君はそれがはりぼてだと 知っているはずだろう 錨をあげて 歓声が遠くとも 帆を張れよ 小さくとも鼓動の叫ぶ方へ 錨を上げて 帆を張れよ 錨を上げて 快晴は見えずとも 帆を張れよ ボロボロの体は、まだ痛むか 行く先を指すその手で空をはぐだけ