高層ビルの隙間 ゆっくり落ちる白い粒 渋谷のざわめきさえ 今日はどこか遠く見えた 信号待ちの人波 誰の顔も覚えてなくて 君の笑った声だけが まだ胸に残っている 立ち止まるたびに あの日の景色がよぎる 戻れないとわかってても 冬は記憶を優しくする 白く染まる街を ひとり歩くたびに思い出す 君がくれたぬくもりだけが 今もまだ離れてくれない 交差点の灯り 滲むように揺れて消えてく この冬が終わる頃には 強くなれるかな 歩道橋を渡れば 夜景が波のように光る 手袋の中でまだ 冷たさだけ抱きしめた 君の名前を呼べば 戻れそうな気がしたけど 答えなんてもう どこにも残っていない スマホの画面に 触れた指が震えたまま 送れなかった言葉だけ 雪のように積もっていく 白い夜の中で 言えなかった言葉が降り続く 君を想う痛みさえ今は 静かに息をしている 凍えそうな心 誰のせいにするわけでもなく 雪がやむその瞬間に 歩き出せるように 途切れた記憶の先で 君が笑っていた気がした ほんのひと欠片だけが 今もまだ温かい 淡い光の下で 形にならない想いが揺れる もう戻れないと知りながら それでもまだ探している 白く染まる街へ 最後の息が静かにのびて 雪の灯が落ちる頃には 前を向けるかな
