場末のビルの五階にて 会員制の月が出る 緞帳めいたカーテンへ 今宵も秘密を吊るしましょう 香水煙草嘘焦燥 混ぜればめくるめく香り 孤独の匂い隠すなら 少々強めが丁度よい 踊れない人程 よく踊る場所です 此処では常識は 足元に置いて下さい 満員電車の狭間にて 今日も無名の群れとなる 名前ひとつを守る為 皆様ずいぶん汚れました いっそ綺麗に消えたい されど無様に明日は来る 拍手もない人生ならば 嗚呼自分で鳴らせば良い 踊りましょう 傷口を銀幕で隠しましょう 生きてるとは痛む事だと ステップで示しましょう 踊りましょう 絶望をドレスに仕立てましょう 千切れた夢の裾を踏み 転んだ数だけ美しい 曇り硝子の窓越しに 夜明けの罪を飲み干した 酔える程度の幸せじゃ 醒めた後には足りないの 愛されぬ人程 愛を語る場所です 喝采もない人生ならば 嗚呼自分が歌えば良い 此処は狐憑きダンスホール 苦しみこそが命の証左 笑えぬ夜を抱きしめながら 今宵も化かして 朝まで
