憧れの正体も知らないまま 旅立ったバス停は 在りし日のまま 輝くばかりの 心の青さを 錆び付かせたのは 僕だったのか さあ 雨よ 笑ってくれ 情けない ただいまを みやげも 着替えも ろくに持たないまま 冷え切った身一つを くるむ 毛布 生きてさえいればと 何度も 縋って 本当の意味を きっと 履き違えた ねえ 僕は 何のために ひとり 旅に出たの 変わりゆけ 変わりゆけ 夢なんてのは 鎖じゃない 呪いじゃない 愛おしむもの 薄味のオムレツが 美味しかった 幸せを 覚えていた 大人にも 子供にも なり切れずに カラになる そんな日も たまに在るよ ありふれた絶望と 優しい香り 僕の旅は続く 変わりゆけ 変わりゆけ 夢なんてのは 鎖じゃない 呪いじゃない 呼び合うもの 不器用な見送りも 嬉しかった 幸せを 願ったんだ 憧れの正体も知らないまま 旅立ったバス停は 在りし日のまま 輝き尽くした 心の青さを 塗り直すとしたら 何色だろう