忘れてしまいそうになるくらい透明 触れて確かめて今だけわかっていて 悴んだ指先はやがて朽ちていって ただ人知れず幻と 消えてしまうのだろう 神様も知り得ないような場所 夜明けを待つように眠るの 煌めいていたの 塵ひとつない完全 深く吸い込んで 肢体を満たして 目を離さないでいて 灼け付く痛みだけが 心を繋ぎとめてくれる気がして 有り触れた美しさ それは今だけだと まだ気付かずに歩いている 六花の乱れる道 間違いを積み重ね 地獄へ堕ちていくんだ これからもずっと 夢を見ていたの 聲ひとつない静謐 ひとり佇んで 空虚に縋って 明けない夜の中で 止まない鼓動だけが 明日を連れて来てくれる 煌めいていたの 塵ひとつない完全 深く吸い込んで 肢体を満たして 輝く地平の果て 澄み切った色だけが 徒に聳え立っている さよなら