銀の窓の枠をなぞった 空は酷く灰で曇った 六月みたいな日だ でも 八月になった 根拠もないアレに縋って 透明な中身を得たんだ 降り積もる雪の日が もう 恋しくもないや 浴衣の色 夕飯の匂い 桜並木 セピアの幻想 知らない街 終電 音楽 後悔 枯れ葉の色 朝凪の匂い 蝉の死骸 クリスマスツリー 葬式 未来 私が繋いだ今日が 全てが無かったとして 明日を生きることが 出来たら素敵かな どうだっていいかそんなこと 偉大なコンパスは狂った 次第に旅人は困った いや 昔からずっと そんなものは無かった 毎分生涯を呪って 財布にレシートが溜まった 好きだったあの人は 今幸せだろうか 夕焼け空 嫌いな先生 後部座席 ぼやけた外灯 怖い映画 遠足 大会 父さん 神社の猫 卒業証書 コーラのフタ 年末年始 東京 自殺 私を繋いだ今日が 全てが終わったとして 明日の私はなんだ それでも私かな どうだっていいかそんなこと 二人がいたら世界が 全てが変わったとして それでも私はどうだ 何にも変われない どうだっていいかそんなこと