目深にかぶった帽子の下にも 夢うつつの冬は巡り来る よくある話とよく見る風景 だけど君の歌は懐かしい 鼻を利かせて座り込む高架下 レールの音はバードランドの拍手さ 春の気配がしなくても 誰も足を止めなくても あかぎれの指をこらえ 今日も歌っている君は 雪のなかで咲いている 福寿草の花のよう 時が止まったように見えるけれど 雲は流れ行く 強がりのスープに泣き虫のパンを 浸したまま冬は眠りこける 木靴を鳴らした大人たちは 君の影を切り裂く売人さ 声高らかな夜に吸い込まれて 手品みたいにわずかな稼ぎは消えた 春の気配がしなくても 誰も足を止めなくても ささくれた人の心 今日も抱きしめる君は 雪のなかで咲いている 福寿草の花のよう 星は止まったまま光るけれど 君を追い掛ける 凍てつく風が辛くても 尖り声に阻まれても 真っ白な息に身を隠して 今日も咲いている Hah Ah Ah Ah Ah Hah Ah Ah Ah Ah