ありふれた奇跡の寄せ集めが この世界だとしたら 瞬く星たちは 必然だと言えるだろうか 耐熱ガラスの中 もつれる泡描く最小の宇宙 きっとこんな風に 今を手繰り寄せてきた サイフォンの炎に吸い込まれる ため息と頬杖と 煮出したほろ苦い因果の香る湯気 鼻先触るたびにまた世界は変わる 夢見がちなフィロソフィ 手のひらの中のカップに溶かして 不可逆の日常 留まることのない時間の中で 瞳に映る今を 束ねながら意味を探して 落ち葉と白い息 欠けた月に掛かるちぎれた雲 テレスコープが映す 過去から彼方の未来へ 角砂糖とティースプーンで 作った銀河 回る星の渦にひと匙の願い 崩れたシンメトリーの導く空 煮出したほろ苦い因果の香る湯気 鼻先触るたびにまた世界を想う 小さなフィロソファ このカップが誘う迷路で 心地よい思考の巡りに身を委ね 自分を知りまた世界は変わる 夢見がちなフィロソフィ まだ熱いままのカップに溶かして