潰れた鞄を足元に置いて 紫色を横目に眺める 少ない灯りが蛍火のように 線を描いてく 名残の道は遥か ただいまを捨て お帰りなさいも無く 断ち切ったんだ あの暖かさが邪魔する 耳を塞いだ 唄が重なる 記憶が鮮明に甦るのさ あの日あの時あの瞬間に 芽生えた夢現 どんな花が咲く 雨に曝され風に切られて 食いしばって 這いつくばって 咲き誇ってみたいよ 流れの速さに逆らって泳ぐ 剥がれた光 散らして泳いで 傷ついた心 ざらついた水面 無駄な欲だけが削がれた街で独り 浮世の晩に泡沫の星を見た 願った 枯れない強さを下さい 指の隙間に空が広がる 未来が黒煙の先に覗いた あの日あの時あの瞬間に 感じた春麗 旅路の途中で 泥に塗れて恋に焦がれて 泣きじゃくって 大人になって 立ち向かっているんだ あの日あの時あの瞬間に 芽生えた夢現 どんな花が咲く 雨に曝され風に切られて 食いしばって 這いつくばって 泣きじゃくって 大人になって 立ち向かっているんだ 咲き誇っているんだ この日この時この瞬間に あの日あの時あの瞬間に僕は 夢を抱いて何者かになりたかった この日この時この瞬間に僕は 夢を掴んで何者かになれた気がした