ハイウェイを夜闇が包んで、 僕らは少し自由になれたみたい。 盗んだ白い車で砂漠を抜け出して、 海へ向かう。 名もなき灯りたちが、 近づいては離れていく―― まるで蛍みたいに。 聡明なふりに慣れたら、 幸せのネクタイも結べるのかな。 そうしたら大人の王国が 大口で僕らを食らうのかな。 誰もが自分だけの 在りかの目を探してる―― まるで蛍みたいに。 夜の終わりも怖くない 場所がないことが怖かっただけ。 ハイウェイを朝日が照らして、 僕らは少し自由になれたかな。 気づいたらみんな眠っていて、 煙草をすり消して独りごちる。 「まるで蛍みたいだ」