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文學少女

7,820
79
  • 2015.05.13
  • 4:52
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歌詞

空は静かに白み始めていた 小説家 〆切前のa.m.4:00 少しずつ 少しずつ書き溜めてきた 君と僕の小説を書いている 『文學少女』 国境の長いトンネルを抜けると 雪国だった 背中に食い込んでいた夜と 桜の樹の下に埋まる死体と 『蜘蛛の糸』と『羅生門』と 『城の崎』と『走れメロス』と 『君』と『僕』で出来た物語に 名前はまだない 恥の多い生涯を送ってきました 夕暮れ チャイムが鳴り響いていた 沈んだ目で上履きを探す少女 授業も聞かずに 日が暮れるまで 窓際の席で小説を読んでいた ボーイ・ミーツ・ガール@校舎裏 籠球部の喧騒と 風に舞うカーテンと 通知表飛行機と 何遍も 何遍も書き直した この世界を君は笑うだろう 嘘ばかりのストーリー と ただ ラストシーンのこの台詞が君以外 に伝わりませんように 「その手首の痣、 とても綺麗でした。」 少女はいつしか変わりはじめていた 戦う術を小説が教えていた 言葉を剣に 沈黙を盾に 君は 君だけの主人公になる ダンス・ダンス・ダンス@高架下 総武線の振動と 右のサイドスローで小石 跳ねる 荒川 何遍も 何遍も書き直したその未来で君は 笑うだろう 誇り高きストーリー と いま あの孤独と 自殺願望が 君のための文學になるんだ 跳ねる水飛沫 とても綺麗でした 朝 食堂で吸う一さじのスウプと 鳴り響く寂しさと "好き"という絶望の中では 『檸檬』も『蜜柑』も 『斜陽』も『河童』も 『こゝろ』も『破戒』も 『夜間飛行』も 『銀河鉄道』も『砂糖菓子』も 君と過ごした青春全部が 『限りなく透明に近いブルー』だ シャープ・ペンで書けるような 薄っぺらな 僕の人生も 水性ペンで書いたような 涙滲む 君の明日も 世界にたった一つだけだ 共にハッピーエンドを信じて書こう 人生はストーリー 何遍も 何遍も書き直した この世界を君は笑うだろう 嘘ばかりのストーリー と ただ ラストシーンのこの台詞が君以外 に伝わりませんように 「その手首の痣、 とても綺麗でした。」 『文學少女』

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