貴方に初めて手紙書きます ほんの些細な思いつきです 封を閉じればきっと 何を書いたかなんて 忘れてしまう程 相も変わらずやってますか? 体を壊していませんか? 公園脇の駐輪場に 今年も小さな蕾を見つけました たまにはこっちに帰っておいでよ 私の青春時代は 貴方なしでは語れないんだよ 大人になった今は少し 素直に話もできるかな 開かずの踏み切り渡る度 幼い二人を思い出します 言い訳ばかりしていたけど 一秒だって大事に思ったよ 随分、時間がかかってごめんね 貴方の青春時代を 彩る景色に何が見える? 移り行くこの街並みにも 私は貴方を忘れたりしない たった二文字の言葉も 伝えられなかったね だから 貴方に最後の手紙を書きます 二人の青春時代は 目に見える世界こそ全てで 紫陽花が咲くこの季節に 私は貴方に恋をした 私は貴方が好きでした