色褪せたカーテンの向こう側で 終わらない 夏の音が聞こえる 咽び鳴くヒグラシの、 そのブルースは いつかのキミの歌と よく似ていた ありえない青春のロマンスを 口ずさみ笑い合うメモリーズ 目を閉じて思い出したのは、きっと 何かを失うと気づいていたから カナ、カナ? 夏が鳴く 宵掛かり 揺れる陽に 踊る髪 追いかけた僕と風 忘れられない思い出は 無邪気なキミと、その亡骸だけ ♪ 色褪せたカーテンの内側でも 止まらない秒針、廻り続く 明日に泣くヒグラシの、 そのブルースを いつか僕も「綺麗だ」と笑うのか くだらない青春のジレンマに 触れては傾くイデオロギー 重すぎるまぶたが 開かないまま ひと夏の叫びは 霞んでいく 叶わない、カナ? 泣き喚く 蝉と空 消えていく 恋花火 濡れた頬に、報いを 僕がキミにあげられるのは 誰も知らない、このやさしさだけ 少しだけ信じていた いや信じてみたかった 「奇跡」を?「キレイゴト」を? 違う、このブルースを ♪ 夏が鳴く 宵掛かり 揺れる陽に 踊る髪 追いかけた僕と風 忘れられない思い出が 亡骸だけの エンディングでも 駆け出した 宵空に まだ消えぬ 恋花火 濡れる頬の 理由を もう一度、信じてみるから 拾ってくれよ、この亡骸だけ ♪