書きかけの歌が、 明日のニュースにならない 冷たい手摺りの叫びならば、 だらだら続く、それだけならば、 スワイプと同時に 捨ててしまおうとした その屋上で流れる雲と一緒に お前は漂っていく お前は必ず捕まえにいく、 何も分からないまま捕まえにいく 崩れ落ちる心、交差する群青、 その時を一行で埋め尽くす 立ち登る煙の形はいつだって歪さ 手摺りの向こうへ引き渡すな 溢れる思いの波はいつだって曖昧さ 気配の向こうに歌がある 光の消えた掌に映る 瞳は幾重にも塗りたくられ 思いは長く、高く、遠く、 降り積もっていく その屋上でいつも迫られる 雲に月が刺さっている お前は揺れ続け その時を一行で埋め尽くす 明日のニュースにならない 書きかけの歌 誰にも渡さない書きかけの歌 明日のニュースにならない 書きかけの歌 誰にも渡さない書きかけの歌 その屋上に佇み、 音と交差するお前が見える 書きかけの歌を握りしめる、 お前が見える 明日のニュースにならない 書きかけの歌 誰にも渡さない書きかけの歌