意味を持たない言葉の羅列が、 瞬時に目の前を通り過ぎる。 耳障りの良い思考、後頭部を回る。 そして、思い出す事はない。 文句は無い、怒りも無い。 そういう俺はどうなんだ。 欲の吐口を探しているのか。 「爆発して満足する」 着地点を見たいのか。 その着地点は、ゴールなのか、 俺を満たすのか。 虚しい刹那は、 アルコールに溶けて、 見るべきものが何かも分からない。 答えるはずの質問は先送り、 蓋を閉める。 白い壁に揺れる灯火、 何回も呑み込む優しさ。 辛いけどそこにいる。飛べない。 それは、永遠に繰り返される 日々のよう。 赤子が初めて見た物に手を伸ばす、 本能的な動作のよう。 言葉の羅列は意味を持たず、 音の羅列は無意識の中、 捨てられる、捨てられる、 捨てられる。 確かにそこで命は芽吹き、 冷え切った風が頬に触れる。 理由と意味が生まれ、 通り過ぎるヘッドライト 街に溶けるヘッドライト ヘッドライト 軋む時の果て 名も無き声の果て 掴む事ができない色彩 繰り出す足音 まるで、初めて見た月のようだ まるで、初めて見た月のようだ