君の声を初めて聴いた その時「これは歌だ」と思った 色素の薄い大きな目は 遠い星から流れてきたマラカイト どうか僕の生きてるうちは その目が涙流さぬように なんて思った帰り道の 揺れる影はひどく頼りなかった 受け入れられないことに慣れた フリをして 誰より強く 両の手に触れられたい君へ ガラスで作られた城には 連れてけない けれど月の裏側への 電車の切符なら持ってる 特別じゃないこの声で拵えた二枚分 帰り道のことなんてもう 忘れてしまおう 名前もなく散った星々の中を行く まるで死んだ後の骨みたいねって 君は言う 無駄なものは何もなかったって 言いたいけど あの青い球体から見れば 僕らもその一つだろう ガラスで作られた星には 居場所がなかった だから月の裏側で こっそり種を蒔く僕ら 必要な水も 光もここにはありはしないけど 君のその声を聴いて芽を 出すかもしれない 二人声が重なっていく 柄にもなくこれが愛だと思った