なぜですか 二人は 今日もすれ違い 砂のお城を 壊さぬように 精一杯の 悪あがきを するのです まだですか 夜明けは 夜の向こう側で 誰の味方を することもなく ただただ 出番を待っています にじんだ月の光が あなたを照らす うつろに濡れた横顔 何より美しい なぜですか はじまりは いつもくだらないことで 絵本の小鳥を 逃がさぬように 引き出しの奥へ しまいこむのです またですか 痛みは 夜にこだまして 膨大な数に 増殖したけれど ついには ぶつかり合い 星くずになりました にじんだ月の光が あなたを照らす 口づけたその瞳は 月より綺麗 うつろな夢の 続きを あたためるうちに いびつな日々の ワルツを 踊り続ける