懐かしい道を 青葉が揺れる 遠く忘れていた 土のぬくもりを 小さな頃には 見上げるだけだった この梢にも ひとり手が届く 夏空 青く抜けて 山並み 彼方遠く 不意に目の覚めるような 明快な線を描く あいの始まりを知りたくて ずっと追いかけた 飛び立つ鳥を むき出しの道を 樹々の根よけて 少し汚れてきた 靴の紐なおし 小さな頃には 夕立を待ちわびて それも今じゃ 夢のまた夢か 夏草 青くむせて 幾年の時を越える あなたの残してくれた 種を拾い上げた あいの始まりを知りたくて ずっと追いかけた 飛び立つ鳥を あいの始まりを その時を もっと確かめた 夏の匂いを