―短夜半夏(みじかよはんげ)、 嘘を眩むとぞ― 疑うなんて浅ましいです 陽のもと認めたあの腕の白さまで 忘れたら…凍えずに温まるのか 一層この侭(まま)通わないとて 構わない ―笠の雪の、 自然が災(わざは)ひや― 黒ばむ前科(まえ)に 労働(はたら)きます 揺れては末(おわり)と あの夏の期待を責め 仰いだら…灰色に誘(いざな)う 娑羅双樹(しゃらそうじゅ) 一層この侭繁(しげ)らないとて 厭(いと)わない 何方(だれ)かに会えば 記憶を奪取(ぬす)まれよう 喉を使えば 貴方が零(こぼ)れ出(い)で溢れよう …是(これ)以上 識(し)りたくなどない 一層この侭 眠って居られたら好(い)いのに 噫(ああ)! 貴方の首筋が きっと現在(いま)はもう 真っ白く透き徹(とお)って居る