今日は何となく気怠い 教室の中、声が、いつもより遠い ふと窓の外を眺める 静かに雨が降る、ぼやけていく景色 ぼんやり見ていたら屋上に人影 誰も気づかない 薄暗くてひんやりとした廊下を歩く 五月雨、ドアを開ける 雨降り、屋上で 君は傘も差さずに、 空を見上げていた 君と目が合ったとき 何故だろうか、 涙が溢れて、 もっと雨が降ればいいと思った 「どうして君が泣いてるの?」 「私は泣きたくて 泣けずにいるのに」 「わからない」 僕がそう言うと、 君は困ったように笑って、 遠くを見た 「雨の日なら、 泣けるような気がして」 「いつも屋上にいるの」 僕は君に会いたくて、ドアを開ける 雨降り、屋上で 僕ら傘も差さずに、 空を見上げていた 「明日も雨が降ればいい」 と君が笑うから、嬉しくて、 僕は聞けなかった 泣きたい理由を 雨に紛れても泣けない君 願掛けのように歌を歌う 君が雨のように泣ける日が来たら この時間も終わってしまうのかな そう思ったら僕が泣いてた 雨降り、屋上で 僕ら傘も差さずに、 空を見上げていた 「明日も雨が降ればいい」 と君が笑うから、嬉しくて、 僕は聞けなかった ああ、 雨降り、屋上で 僕は傘も差さずに、 君のことを待った 君に会えなくなって、途方に暮れて 君を思って泣いてしまいたいのに 僕は泣けなくて、