手を貸そうと声掛けた老人に 怒られたり 笑わせようとした子の親に 睨まれたりした 大好きなあの子の目の前で 恥をかいたり 頼りにしていたはずの人に 頼られたりした 何にもないけど僕でいれるのは 「何者になるの?」を 聞かずにいること 汗だくリーマンに譲った電車に 乗りそびれたり 可愛がっていたあの野良猫はいなく なってたりした 病室で見た父の姿が痩せて見えたり 帰りに一人寄った公園で 泣いてたりもした 何もできないけど僕がいれるのは 「何者になるの?」を 聞かずにいること その全てが僕にとってとても重要で それでいて些末なものに思える 今答えるよハイデガー そうだな聞こえるよ 借りてきてそのまま冒険と呼んで 遊歩道に咲く花の名前を まだ覚えてたり 慣れない火で拵えた朝食を また焦がしたりした 気にも留めないような事を 励まされたり 君との未来、才能、共感も 諦めたりした 許してやれと想いは離れど 僕を受け入れていこう そして少しでも笑えるように 暮らしてみよう 歩こう 汗をかこう 何者になろうとも 僕はとても軽薄な 取るに足らないものに思えた でも誓えるよハイデガー そうだな愛故に存在は続いていく 全てが僕にとってとても重要で それでいて些末なものに思える 今応えるよシンガー そうだな聴こえるよ 生まれてきたこれまで キセキと呼んで 一生を冒険と呼んで