手持ちぶさたの沈黙に そろそろ飽きたときに閃めいた 大人らしいことをしてみよう そういや煙草を持っているぞ 何一つ美味しくもないのに 二人して何かの真似をした 共有した沈黙の価値が 同じならいいと思い込んでた まるで分身を見ているようだ 「言葉は頼りにならないさ」 それが合言葉 手繰り寄せるよう 引き離すよう 散々繰り返しやめる やる気のない煙に乗っかって 天まで登って消えたらいい 今じゃ君無しで嗜めるのに ふかす君の煙は目障りなのに 経ちきれないまま しぶとく真ん中で混ざりあう 経緯が違うことを見せつけて 似ているところを探りあった 共通項の少ないことが どこかで思い込みを激しくさせた 少々言葉を交わしすぎたようだ 「言葉は頼りにならないさ」 それが曇らせた 手繰り寄せてから手離しては 再三繰り返しまた戻る 傷つけ合うことでしか解けぬ 不器用な金縛り 今じゃ君無しで嗜めるから ふかす君にはもううんざりだから 絡まる浮草の揺蕩う そんな様が憎らしい 言葉はあまりに無力だったもので 閑散な時ほどなんだか うるさく感じた