秋の空では思い出を 冬の街では哀しみを 春の風には身をまかせて 夏の空には旅立ちを 夏の街にはお別れを 夏の風は人を残して 寂しい夏の三番ホームに はちきれる夢をケースにつめて 始まりのベルが鳴る 夏の電車は走る 僕らを乗せて走る 引き返したい気も知らないで 夏の電車は走る 汽笛が叫び走る 残してきた人も知らないで かげろう遠く 遥か遠く 眼を閉じれば少し前の 口の動きが眼に浮かぶ だけどそれは白線の外側 あの日の歌が蘇る そんな自分を重ねてみる だけどなごり雪は降らない 離れる街の景色には 速さで起こる砂埃 足跡を残してくれ 夏の電車は走る 僕らを乗せて走る 幾つの気がかりも知らないで 夏の電車は走る 汽笛が叫び走る 僕の独り言もかき消して 風の想いとはうらはらに 次の街では始まりを 次の街では幸せを 次の街では喜びを 次の街では力強さを 想い出おいた三番ホームは 寂しい夏のエピソードを 力に次の街へ 夏の電車は走る 僕らを乗せて走る 引き返したい気も知らないで 夏の電車は走る 汽笛が叫び走る 残してきた人も知らないで 今より遠く 遥か遠く