最初の頁をめくる指は震えていた。 「総てを知る覚悟が あるのか?」と本は問う。 埃に塗れた書物の中には 貴方の記した「真実」が眠る。 深い森の奥に在るお城には 魔法が掛かっていました。 迷い込んだ私は、 その本を手にしてしまいました。 埃に塗れた書物の中には 貴方の記した「真実」が眠る。 震える指先、ゆっくりと動く。 ざわめく暗黒。 ―――頁をめくった。 そこに記されていたのは 貴方が消えた理由。 私が死んでしまったという 「真実」が。 「貴方は私を助けるために 魂を犠牲にしたんだ。」 「愛しています」と書物の最後に 刻まれていた。 すべてを思い出した後に 涙が一筋、ぽたり、落ちて―――。