ああ 踏切が開かなくて 君と横に並んだ 風が騒ぎ みどり色の匂いがしました ああ 鞄の底にかくまった ハリネズミみたいな想いが 外出たがってる どうかちょっと静かにしてて 電車が通り過ぎて ふと時間が凪いだら 世界にはふたりぼっちで “ねぇ、交換しよう?” 君に伝えたいよ いや、やめよう まだまだ 今じゃない 君に伝えたいよ ゆれるゆれる 鼓動があること 君に伝えたいよ せめて「おはよう」って 変じゃないかな? 君に伝えたいよ 私がここにいること ああ 踏切が開かなくて 君と横に並んだ ポケットの鍵 無意味に握りしめてみたりして 授業中に遠くから見てたその横顔に 髪がかかり 初夏の陽射しに透き通り 高鳴る赤い音が ふっ、と吹き消されたら 世界にはふたりぼっちで “ねぇ、交換しよう?” 君に伝えたいよ いや、やめよう…… 神様、まだ早い 君に伝えたいよ 淡い淡い 衝動があること 君に伝えたいよ せめて「おはよう」って 変じゃないよな 君に伝えたいよ 僕がここにいること 遮断器が上がれば ほら、いつも通り 急かすように流れてゆく人波 どうでもいいことばかり 気にする毎日 どうでもよくないことには 正直でいたいよ “ねぇ、交換しよう?” 君に伝えたいよ いや、やめよう やだやだ やめたくない 君に伝えたいよ ゆれるゆれる 鼓動があること 君に伝えたいよ せめて「おはよう」って 変じゃないかな? 君に伝えたいよ 私が/僕が ここにいること 「ねぇ、おはよう」