ツバメは小さいけれど 遥かな旅を続ける ペンギンは飛べないけれど 冷たい水の中を生きる 「僕には手も足も 考えるための脳だってあるのに 呼吸の仕方すら曖昧だ」 そんなことを言うから 教えてあげる 空を滑る 「このまま青くなれたらな」 青い涙と舞う 翼が重くても 風は止まない 君が何者でも 関係ないの 蝶々は彩やかな羽根で仲間を集める 蛍は真っ暗闇でも 死んだとしても光っている 「僕には文明も文字も 伝えるための口だってあるのに 言葉を並べると涙が出るの」 そんなことを言うのは 君が飛ぶとこを 君は見たことないからだよ 鏡みたいな海を見て 案外上手なもんでしょう 雲を避ける 避けきれなくて 浴びたとしても それは知れただけ 翼が汚れても 風は見捨てない 君も 君を見捨ててはならない 大群で泳ぐ魚 はぐれたら 力が尽きたら 心細いだろうなと 水族館で眺めている 歩き方も泣き方も 笑い方も怒り方も 全部君が君で覚えたのだろう 大丈夫さ 大丈夫 空を滑る 「このまま青くなれたらな」 青い涙と舞う 翼が重くても 風は止まない 君が何者でも 関係ないの 翼が汚れても 風は見捨てない 君も 君を見捨ててはならない