青春の卵

歌詞

春風の中に 夢をふくらませ 秋風の中に 身をひきしめていた 学生服に白いヘルメット 坊主頭の私は 田園の中のアスファルト道を 自転車通学していた 貧しくもなく 豊かでもなく スポンジのように 新しい学問が学べるのが ただただ、うれしかった 赤土にローラーをかけて テニスコートを造ったのは 私たちだった 新校舎は輝いていて まだ私は 恋の味さえ知らなかった 離れの家には 黒い皮カバンを下げて 夕食後、通った 一階は、工場の廃墟で 若き日の父の夢の跡だった 二階の電球を点けると 虫たちが集まってきた 電気スタンドの光で 黙々と勉強した 後々に 開校以来の秀才と呼ばれるなんて 考えてもみなかった 私はまだ ただの卵 ひなにさえなっていなかった しかし いつかは、大空に羽ばたきたい 青春の卵だった それは あまりにも平凡な 普通すぎる 成長の痛み・・・・だった