六月の雨アスファルト張り付いた 蛙の死骸に少年はカメラ向けた だから何? 何が起きる? 分からない 雨が止んでアスファルト干からびて 蛙の死骸は夏の虫たちの餌食に そうこうしてるうちに 誰かが死んでいく 誰かが殺されていく 誰かが笑ってる 僕は見たのです 蛙さんは蟲さんに殺されて 蟲さんはあの子に殺されたのです 「河いそう こわいなあ。」と思いました そうこうしてるうちに 今日の僕が死んでいく 誰かが飛んでった 「こわいね。」って欠伸した 僕は見たのです あの子は少年に殺されたのです 少年は蒼い屍を いつまでも いつまでも 眺めていたのでした