見えない壁の向こう側 遠のく足音 掠れた声は届かずに 闇へと消えてゆく 背中をずっと見つめた きっとそう あなたは言うの 微笑んで 「ごめんね、迎えに来たよ」 手を握って 今一度だけ囁いて 愛の言葉を 「泣かないで」と 抱き寄せて 零れた涙で染めた 淡い夜のロマンス 注ぐ毒の中で この身を溶かして 何時だってそう 骨の髄まで侵す甘い罠 逃れられないのに 叶わぬ夢だから 何故 もう ほら 聞いて 今 なら まだ 踊る文字は 黒く滲む ねえ ねえ ねえ 言って やだ 何処 ああ あなたは「誰?」と笑う 気づいて 呼んで 隠した想いを掴んで 振り向きざまに 重なったリズム ずっと 知らないふりして 怒らないでよ ねえほら 叫びが 届かないのなら 今 熱い頬に一筋伝う 赤く染めたジェラシー 重く 弾む胸が 吐息を漏らして 何時だってもう 腕の中のあなたに会えるから 逃れられないなら 叶わぬ恋ならば