色は匂えど 玉響に散ってゆくのでしょう 人待ち顔の訳を悟られないように 未だ咽せるような寂寞にも 慣れてきました、 とさらりさらり綴る 健かであれと残すのなら 冠省ひとつでも、今か今かと待つ あれほどに好きだった花の色さえ あの日の突然を思い出してしまう だから ここで色は 匂えどあなたに届かないでしょう 愛おしさの意味を今更に知ったって 色は匂えど 玉響に散ってゆくのでしょう 人待ち顔の訳を悟られないように さても美しく東雲空 あなたにつづけ、 とぽつりぽつり願う 浅葱羽織って行くと冗談めかし そんなものは破り捨てて 仕舞えばいい だから 今も色は 匂えどあなたに届かないでしょう 命脈辿っては星に願うように 色は匂えど 玉響に散ってゆくのでしょう あなたを待っていると 口に出せたなら