春、生まれ親から祝福受け 夏、若葉の如く我が身を練る 秋、熟し誰ぞ愛でる猶予をもらい 冬、悔いを殴り捨てて死を抱く 目に映る陽炎 月に映えては 生まれて死んでゆく今日 春の女王は乳飲み子 夏の女王は双子姫 秋の女王は実り授け 冬の女王は母の顔 季節は僕の 知らないところで 生まれては去っていく 祝福と無邪気を受け入れては 走り回る若葉を見守る日々 溢れる盛りに舞い踊れば 我が子の身のために牙を剥く 僕らの見えない稀人たちは 等しく変わりゆく 言うなれば巡るということ 愛されてないと 誰が言ったのか 愛していないと 誰が言ったのか 愛されてないからと 諦めるのか 愛してくれと ただ嘆くのか 誰のことやら 飛行機雲ついてく茜の羽 待ちくたびれたは 声は岸の向こう 気づいたときには便りも消えて 星屑落ち 川面が滑り落ちてゆくような 季節は刻むことを 知らせずに 生まれては 去ってゆくもの 僕らが生きうる 軸があるまでは 等しく変わりゆく 言うなれば巡りのなす技