わかっていたんだ 出会ったあの日 から君のことが好きだ わかっているんだ 全部バレてしま うのは 嘘が下手だから わかってきたんだ 君の気持ちにも 鈍感なほうだけど わかってしまうよ 私と同じように 嘘が下手だから 離れ離れだった二人の影法師 夏の午後の帰り道でやっと交わった のに 手が触れた瞬間 君は私を拒んだ 何かに怯えた顔で 時計の針が狂って回り出した 今日 のように蒸し暑い夏の日へ わかっていたんだ 好きになった日 から貴方を失うこと わかっているんだ 歯車は少しずつ かみ合わなくなった わかってきたんだ 雨雲のように移 ろう心模様 わかってしまうよ 私と同じように 嘘が下手だから 手と手結び合った二人の影法師 夏の午後の帰り道でゆっくり離れて く 解かれた瞬間 私は無邪気に笑った 壊れた人形みたいに 失うならばもういっそ二人の時間を 今日で終わりにしようか 夕焼け空が燃える 時計の針が止ま る 風が吹いて夏草の匂いと記憶だけ遥 か遠くへ連れ去ってゆく 神様はきっと そう、きっと私を拒 んだ 許されることなどない 季節は巡り巡る 何度だって今日の ように蒸し暑い夏がくる 手が触れた瞬間 一秒 すべてがわ かった 知りたくなんてないのに 記憶の糸が固く絡みついて解けない もう、解けそうにない 震えた声で君はサヨナラを言った 置いてけぼりの影法師 時計の針はまるで何もなかったかの ように 変わらない時を刻み続けている 結んで開いて 運命の糸は廻る また違う時代の遠い場所で待ち続け る