真っ白い君を 手のひらで転がしてきた ずいぶん前に私たちは この場所にきていたんだ 灰色の砂が風で巻かれていったけど ずいぶん前にそれがどこへ いくのか気づいていて 砂浜と線路 海の上をはしるトレインは終着駅へ やる気のない黄色い太陽が 沈んでしまう 言葉を連ね寒さを煙にまく 毛布をつくってあげる ノートの上で眠っているような君に 鯨の骨を探してあつめてみたけれど めんどくさくなって 君にぜんぶあげたんだ できたよって君は 元に戻してくれたけど いじわるな風が鯨を吹き抜けた 冷めていってしまう それも今日で終わらせるんだ 車窓に揺れるランプが 私をまだ迷わせようとしてるの 嬉しかったし楽しかったし 辛かったし悔しかったし それらを取り巻いてた寂しさに 追われることももうないんでしょ 砂浜と線路 海の上をはしるトレインは回送列車 押し付けがましい太陽が のぼってきた 鯨になればいいと手をひいた君にね 全部あげよう そのかわり白く小さくなって ここに戻れたら いいな