〈♪〉 三年坂で別れてから ずいぶん経ちますね 会いたくなくて とても会いたくて ふとすれ違えば 宵山 会えたらなんて言おうかしらと ずっと思ってたのに 息が止まりそうで 目をそらした まるで無言参りのように 息を切らして 新橋あたり人波に 流され移ろって賀茂河原 私は更に臆病になり あなたはずっと素敵になった そっと振り向けば風の音 いえ遠く祇園囃し 〈♪〉 揃いの浴衣であの日二人 初めて 手が触れて 遠い河原にみた鷺舞いは 鳥か人かまぼろしか 流行の恋に馴染めもせずに みつめる宵飾り 梅雨前線はもう北へ去って 明日から夏になる 心散らして 木屋町あたり 人波に さとされ なだめられ 高瀬川 もしもあの時 あなたに そう 言いかけて季節違いに気付く そっと振り向けば 夢の音 いえ たぶん あとのまつり 〈♪〉