材木置場にしずんだ太陽に 今朝であう 焦げた雲のにおい ぼくは無国のトレッカーのよう 高原でいま目覚めた 露をはじくフキの葉陰でほら 花が咲く 遠いむかし此処らぜんぶ海だ とおい未来 ぼくの骨も化石にかわる 雪解けあとのモナドノック ゆうべの星をさがせば 電気菓子の樹木も 霧のなかで発光する 牧草のここらぜんぶ海だ ほくそうだ こんな歌をちょっと思いついた 「やまぶきのいろが 待ちどおしい」 そう風が耳打ちをすれば ギンガの春はもう そこまで来ているのだな とおいむかしこんな海を眺め 写真とか 絵や詩にしたひともいたよ とおい未来やっぱりこんな風に ぼくと同じ 歌を別の誰かがつくるだろう