思い出の中に咲いていた 名前の無い花のように いつの間にか忘れていた あの日出会った君のことも 夕焼けに染まる赤い空を 飛んでいる鳥のように 開く翼で合図をしよう 暗闇に包まれる前に あと少し、もう少しだけ 目に映る君を見つめて居たかった 避けられぬ、別れが来るのなら あと少し、もう少しだけ 伝えたいことも伝えられないまま 時が終わりを告げてしまった 「忘れないでね」って言った君の 最後の温もりさえも 流れゆく時の中で 僕は遂に、忘れてしまってたんだ 坂を下りきった僕は 刻まれた日々の記憶に 別れを告げるように 一歩と 少しずつ、歩き出してみたんだ あやふやに手を伸ばして、 触ったものは 壊れやすい日々だった 「もう忘れたよ」って言葉は 心では意味を持たないもんさ