嫌いだなんて言わないで 纏う微熱 湿った声 ちぎれなかった切符のように 飛べない蝶が雨音で咲いた 雪に溶けた蝸牛 憂い装う貴方のよう 悲しみだけ 持ち合わせて 嫌いだなんていわないで 白藍の香り 頬を撫でた 飾れなかった 花束をもって あなたの足元 影だけを結った ふいに想う昼下がり 色褪せぬ記憶と涙だけ あの頃みたい 待ち合わせて ありふれた幸せを 奪って、そのまま息を呑んで どうしたいの どうしたいの? 車窓、散るは青の花 さらって そのままで誤魔化して いかないで 「いかないで。」 かさばり息せぬ心だけ 老いていっては 何になるの? 潤みあふる 瞳をのぞいて あなたの灯火 淑やかに消えた 空っぽだらけのラヴソング 好きになれるまではあと百歩 まちがいすら 愛おしいさ ありふれた幸せは 叶って 夕日も暮れないね もうやめよう もうやめよう 惑う、夢は黒のまま おどけて それからも誤魔化して 探さないで 「さがさないで。」