わかったんだ、 肯定者なんて僕は要らない いつだって教科書は何も与えちゃく れない そうだ、思い出した この目に映してきた でかい図体を持て余している化け物 達 ずっと答え合わせに躍起になってい るだけ ただ全部灰になった 春が腐っていく過程でも ひとひら残して赤く赤く散るような 虚栄と名のついた花に水を遣ろう ほら声失くしたシンガーが今、 大人になる その両目に宿した色が消えていくよ 正しさに抗って間違っていても 綻ぶ余地のない独善を 気づいたんだ、善の皮被った悪意に 纏わりついた後悔の味を忘れちゃい けない そうだ、思い出した あの日の化け物は でかい図体を持て余してなお怯えて いた ずっと不在の幻影に剣を振るってい るだけ ただ全部灰になった 春が腐っていく過程でも ひとひら残して赤く赤く散るような 虚栄と名のついた花に水を遣ろう ただ無為に老いた醜悪な枯木たちの 声 泥水を湛えたマグを飲み干すように 目の前の清濁を併せ呑んでも 傷一つ許さない独善で まだ僕には聞こえる、 夜が濁っていく音さえ 塞いだ眼の奥で赤く赤く咲いている 虚栄と名のついた花に水を遣ろう ほら声失くしたシンガーが今、 大人になる その両目に宿した色が消えていくよ 正しさに抗って間違っていても 綻ぶ余地のない独善を