懐かしい匂いで思い出した 駅のホーム はじめて雪が フワリ舞い込んだ 「傘がないや」と吐いたため息が 白く残り 消えるのを見て さらに苛立った 僕の世界はアルバムのすみ 古ぼけてく写真みたいに 色褪せたんだね アノヒ 雪の白さも知らない僕ら かじかむ手を繋いで どこまでも線を伸ばせと はしゃいでいた アノヒ ポケットの中忍び込んでた 指先の冷たさと もうそこにない温度探している 早足の街につもりだす雪 踏みつけられ汚されていく 靴を濡らすんだ 胸にかかるもやが晴れないのは チクリ痛む爪先だけが 理由じゃないから 迷わない様に歩いた道の 先にはもう別れ道も あまりないんだね イマは 雪の白さも知らない僕は なにかに負けることを 怖がっている子供みたく強がるのに イマは カバンの中に詰めたニモツの 重さを感じながら 足跡の線をただ伸ばしてく どうか この雪がなにもかもを 白く染めてくれればいいのに いつか 僕らも雪が溶けるみたいに 消えてなくなるんだね アノヒ 雪の白さも知らない僕ら かじかむ手を繋いで どこまでも線を伸ばせと はしゃいでいた アノヒ ポケットの中忍び込んでた 指先の冷たさと もうそこにない温度探している