墨絵の景色 浦波 触れるたび路は暗んで やっと掴んだ 今さえ 常ならぬものと あざやかな風 戸惑う ぐるぐる回る 瞬く間 翡翠の目色に 見詰められて しのぶほど色は 黒く濁っていく ひとり歌う事で 何か変わるの つのるほど愛は 胸を溢れ出す 吹きしく 風は 空知らず 酢漿草の花 朝露 思うたび路に眩んで やっと掴んだ 今さえ 常ならぬものと あでやかな風 高鳴る はらはら走る 悪戯に 厚い雲を 晴らすように なげくほど声は 掠れ忘らるる 言葉にならぬ音は どこへ届くの ちらすほど花は 高く舞い上がる 吹きしく風は 時知らず 戻らぬ熱と 眼差しを閉じる 全てが滲み出して しのぶほど色は 黒く濁っていく ひとり歌う事で 何か変わるの なげくほど声は 掠れ忘らるる 言葉にならぬ音も どうか届いて おもうほど愛は 胸を溢れ出す 吹きしく風は 空知らず