惰性で点けてたテレビの中 病気の人が笑顔で喋る 「生きてるだけで幸せです」 とっさにリモコン握り締めて 消してしまった 五体満足で生まれてきて 衣食住すべて足りてるのに どうして僕の心は壊れてんだろう 消えてくれない幻肢痛だけ 引き摺ったままで 八月の焼けた土瀝青 プールサイドで笑ったあの子 幸せだった記憶に僕は いつか殺されてしまいそうだ 誰彼構わず土下座して 世界中に詫びたい気分だよ 弱くて弱くて ただ申し訳なくて 真っ白な空白が 思い出で汚れてく 血が滲んだ空の下 笑っていた君の顔が もう思い出せないや 心臓に突き刺さった怒鳴り声が 耳を塞いでもまだ聴こえる その度身体が強張ってさ 自分だけが歩き出せないで 戸惑ってばかり 「君は君でいればいい」とか ありのままが素晴らしいんだとか もしも本当にそうなら僕を ありのままで認めてみせてよ 他人(ひと)の機嫌を伺い過ぎて 最早何が正解なのかすら 怖くて怖くて 何も分からなくて 優しさに縋って 逃げ出したその先で 灯を点した空の下 冷たい手を合わせながら もしも完璧だったなら あの人は笑ってくれたかな ごめんなさいと言えたなら 今でも笑ってられたかな 取り戻せない事ばかり 浮かんでくるのは何故なんだ どうしたら良かったか 今なら判るのに 真っ白な空白が 思い出で汚れてく 血が滲んだ空の下 笑っていた君の顔は 優しさに縋って 逃げ出したその先で 灯を点した空の下 冷たい手を合わせながら 今も生きている