人の恋路を 邪魔する野暮は 猫に蹴られて C’est fini, C’est fini 路地のカフェで きみは砂糖をひとさじ カップのふちまで ため息こぼす 人の恋路を そっとしといて テーブルの影で 目と目が合うだけ 猫がイスから しっぽで合図 やぼなひと言 言う前に C’est fini, C’est fini 僕はミルクを ひとくちだけ残し 言いかけた言葉は スプーンですくって隠す 窓の外では 古い映画みたいな午後 きみの横顔が エンドロールみたいに揺れる 人の恋路を そっとしといて テーブルの下で 足先ふれるだけ 猫があくびで 空気を変える やぼな沈黙 落ちる前に C’est fini, C’est fini ねえ 見えないところで 進む話もある 声にしないまま 全部 伝わってしまう 人の恋路を そっとしといて 小さな合図で 世界が動くから 猫がまぶたで 「続きはあとで」 ささやくみたいに 目を閉じる C’est fini, C’est fini
