一生忘れたくないことは スイヘイリーベ唱えたあの夏の 露骨に人工的な柑橘系の匂い 乾かし過ぎたシャツを揺らす風 一生忘れたくないことは 二つ影落としたあの秋の やけに叙情的なアルミ缶の模様 日々長くなる袖と、夜の話 どうかこのまま、ねぇ生かして 幸せはそれなりでいいから 端からそこまで 私期待はしてないんだ 一生忘れたくないことは 傑作小説に溺れたあの冬と 比べて私の話は少し短く悲しい って気づいたこと それならばもう どうか消えるまで満たして いずれ来る終わりがスグなら 誰かに底まで愛されて 愛し返したいな どうかそのままねぇ聞いて 「私、君に逢ってから…」 なんて残すのはズルいか なら続きは記しておくから どうかそのままで 叶うなら私の分まで 時が経って、思い出して 共犯の日々と真実を 一生忘れたくないことは