「夕方になると、 海を眺めに来るのが 日課になっていた」 「あれ…?先輩!?」 「え…桜井?」 何をするために生まれたのか? 何になるために生きていくのか? わからないままじゃ嫌だから ひとつひとつ確かめていこうって 思いついたことを転々と 与えられたことは淡々と もう十分って思ったらバイバイして また次のコネクションを辿って その奥には沢山の意味も 僕らが知らない理由もあるのに 目に見えるものが全てだって 決めつけてしまったら 気づけば 息苦しくなっていないかな? その奥には様々な人と 僕らの知らない世界があるから あれしかないとか これしかないとかって 決めつけないでいれたら 何にだってなれるんだ 「いやぁ~、 まさかこんなところで先輩と 再会できるなんて 思ってもみませんでした!」 「なんか、ごめん」 「何がですか?」 「まぁほら…色々」 「まぁ、先輩の人生だし、 いいんじゃないですか?」 「…そうかもな」 "根無し草だ" "コネだ" "使えない" と 悪い噂はどこからか聞いていた 根拠のない誹謗が溢れてる 皆同じ仲間なんじゃないの? 誰かに助けてもらうのではなく 自己犠牲が美しいと教わった 別に僕がここにいなくたって 何事もなく回っていくのに? 調子いいヤツだって思っていた / 優しい人だって思っていた けど羨ましいとも思っていた / けど真面目すぎるとも思っていた 逃げ出した僕を嘲笑っている? / 新しい道を歩いている そんなふうに勝手に思っていた / そんなふうに勝手に思っていた 「えぇ…ひどくないですか?」 「ごめんごめん」 その奥には沢山の道と 僕らが知らない正解があるのに これが一つだけの最善だって 決めつけてしまってた でも気づけなかったんだ そう あのときは 狭い世界でただ もがくことに 精一杯だったから これは長い長い旅 回り道の向こうに隠れている 出会いとか それが大事だと思うんだ いつも高い高い場所 ばかり目指して 見逃してしまう 矢印は 前や上だけ指しているわけじゃない 片手に収まるくらいの / あの毎日に今やっと火が灯って 真面目さを 持っていればいいんじゃない? / 何故なのか大切に思えてきて 飛び込んで ぶつかってみなきゃわからないと / 僕は無意味な日々を 過ごしていたんじゃない 思うんだ / って思えたんだ そう思えたんだ 「次はなにするの?」 「サッカーが俺を呼んでるん スよねぇ! いや、テレビ局…かな…?」 「桜井なら何にでもなれそうだな」 「僕はこれから何をしようかな」 この先には沢山の未知と 僕らが知らない困難もあるけど 挫けそうな時に思い出せる あの日々があるなら もう一度歩き出せる気がする