フェンスの向こうの夕焼け 工場の終業のサイレン オイルと汗が混じった匂いが体にまとわりついていた 日に焼けたポラロイド写真 あいつはふざけて笑ってる 事あるごとに張り合ったけど 結局のとこ勝てなかったな 馬鹿だったなぁ 疑うことを知らず 永遠を信じていた 若かったなぁ 誰かを傷つける 危うさに気づかないまま 素知らぬ顔のフェンス越しの空に 容易く壊れない夢を探していた いつか胸にしまった刃は 気がついたら錆びついていた うまく立ち回ろうとしたけど 何の役にも立たなかったな 甘かったなぁ 溢れる思いだけで うまくいくと信じていた 長かったなぁ 何も分かってなかった そんなことに気づけるまで 少し霞んだ 暮れて行く街に いつか見たあの時の空を探している 馬鹿だったなぁ 剥き出しのままで 気持ちを抑えきれずに 甘かったなぁ ただ情熱だけで どうにかなると思っていた まだまだかなぁ 全ては行き過ぎる そんなことに気づけるまで あの日写したあいつとの写真に 心が求めた永遠を見た気がした