胸の奥の虫が言うの 「明日も皆、夢見てるよ」と。 喉の奥の僕が言うの 「ここはどこ、君は誰なの?」 胸の奥の虫が言うの 「じゃー君は誰なの」 喉の奥の僕は思い出せなくて沈む。 「あーもいーよどーでも」 虫は胸の中で言う。 喉の奥の僕が言う 「喉が渇いたぁ……」 「ねー君は何でいるの、虫さんよ」 と、 「そんなのオレにもわからないよ」 と。 「それでも、ここにいる。 俺はさ、君のね、 息遣い確かめないとさ、 生きれない。だからさ、お願い。 死のうだなんて思わないで」 胸の奥の虫が言うの 「ほら朝日が綺麗だからさ」 喉の奥の僕が言うの 「そりゃそうだろ、朝だからだろ」 胸の奥の虫が言うの 「今だから、綺麗だよ」 喉の奥の僕は思い出せなくて沈む。 「あーもいーよどーでも」 虫は怒り節で言う。 喉の奥の僕が言う 「喉が渇いた」 「ねー君は何でいるの、虫さんよ」 と、 「そんなのオレにもわからないよ」 と。 「それでも、ここにいる。 俺はさ、君のね、 息遣い確かめないとさ、 生きれない。だからさ、お願い。 死のうだなんて思わないで」 朝日が眩しい。 星が綺麗だな。 そんな声ばかり聴いていたんだ。 「それでも、ここにいる。 君がさ、色々教えてくれたからさ、 なんとか生きてこれたから。 お願い、殺して、殺して、 お願いだ」 このまま死んでく虫がさ 笑ってるよ。 それなら僕を殺してください。