ほんの少し溢したジュースの 染みがが落ちなくて 着れないシャツのよう 君との思い出が今も消えなくて ひとり歩いてる行くあてもないのに ポケットの中に手を入れてみれば 伝えそびれてたさよならが一つ 柔らかい風にのせて呟けば 届けてくれるかな秋が来る前に 近所の祭りも賑やかに 提灯に灯を入れ彩る 手招く子供に誘われて 揺れる袖を追う 夜空を廻る笑い声に つられて目を細めれば 赤青黄色と蘇り 滲む恋螢 今夜夏が終わるなら きっと忘れられるだろう 握る手のひら汗ばんで ただ僕じゃなかっただけ 涙がぽつり 夏を濡らす 今夜夏が終わるなら (柳の髪の向こう側で今も微笑む) きっと忘れられるだろう (遠ざかる影と蝉時雨 瞼に強く) 頬を撫でる涼風の行先を願うだけ されどまたたき 消えぬ恋螢